転換期の時代地域看護学を広く深く探究する今日のコロナ禍において本来自由である行動や他者との関係が感染対策により制限され、そのことに戸惑った方も多いと思います。コロナ禍は私たちに、人間が社会的存在であること、健康は社会の在り様と連動していること一例えば、グローバル社会ゆえの感染拡大の進展、各国のコロナ対策の相違、地域性によりコロナの受け止め方に特徴があること等、を強く知らしめました。本学の地域看護学の教育・研究は、この「人間」「社会」「健康」を強く意識しています。そして同時に以下の特色を有しています。ひとつは地域看護学を構成する公衆衛生看護学と在宅看護学のそれぞれの専門性の追求と両者の統合的探究を両立させようとしていることです。もう一つは、本学看護学科の教育目標にある「地元創成」を踏まえ、地元住民が頼りとしている小規模病院等における看護活動と、地域で展開される看護活動を連動して考える枠組みを構築しようとしてします。近年、人々の健康課題は複雑・多様であり、解決に向けて専門職と住民の協働が必要な時代を迎えています。さらに家族とジェンダーに関する価値観の変化、コロナ禍に伴うリモート技術の進展など、今日は転換期の時代といえます。だからこそ、ものごとを重層的に捉える力、創造的に検討し柔軟に関わる力、時代の変化に自ら対応できる力、が重要と考え、地域看護学を広く深く探究することを大切にします。

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